突然ですが…
雨降りの移動支援は最悪だ!!
こんにちは、りゅのです。
冒頭から心の叫びを失礼しました。
ここのところ、梅雨でもないのに雨続き、更には異常なほど台風が日本列島を襲っているので、尋常でない雨風にさらされながらの移動支援が連続していて気分が萎えに萎えているこの頃です。
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「え?利用者を連れてどっか行くアレでしょ?」と思ったそこのあなた。
私もそう思っていました。いえ、合っています。それで合っているのですが…。
楽だと聞いていた移動支援、方や、大変そう…とも言われる移動支援。今回は、私が移動支援のお仕事をしてみて思った体験談を中心にお話したいと思います。
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目次
障害者の移動支援ってぶっちゃけどんな仕事なの?
まずは簡単に移動支援についての説明を…。
ご存知の方も多いと思いますので、そんなの知ってるよー、という方はササッと読み飛ばしちゃってください!
- 利用者さんのご自宅や入所している施設等にお迎えに行き一緒に作業所へ行く
- 利用者さんのご自宅や入所している施設等にお迎えに行き一緒にお出かけをする
- 利用者さんが働いている作業所などへお迎えに行き一緒にご自宅に帰る
大体はこんなもんです。
作業所やデイサービスへの送迎だけでなく、余暇活動も行います。
送迎の場合は、目的地と自宅の行き来に付き添うだけで良いですが、余暇活動の場合は、10時間近く利用者さんのしたいこと、行きたい場所に一緒に行って遊びに付き合う事もします。
送迎の場合、楽な点は?
本当に送り迎えだけ一緒にいればいいので、長くても1時間半~最大でも2時間前後の支援時間しかありません。朝夕で必要なこともあれば、どちらかだけでいい場合もあります。一緒に歩いて、一緒に電車に乗って、一緒に目的地に向かう。完全なる付き添いがメインなので、身体介護などは利用者にもよりますが、少ないと言えます。
送迎の場合、大変な点は?
利用者さんの障害の重さ、特徴、性格、癖、家族の要望などでそれが物凄く楽な移動になるか、物凄く大変な移動になるかが、かなり変わります。問題行動などを起こす利用者さんの場合は危険なこともありますし、車椅子利用の方で身体が大きい人や、リクライニングの車椅子だった場合、普通に力も必要です。
余暇活動の場合、楽な点は?
利用者の行きたい場所が特になく、問題行動もなく、ただ一緒に時間を外で潰してきて欲しいというご家族さんの要望で余暇活動をする場合は、行き先を自分で決めてしまえます。行きたかったなーと思っていた場所に利用者さんを連れて行ったり、ちゃんと利用者さんが不穏にならない配慮さえできれば、買い物だってしちゃったりできます。
余暇活動の場合、大変な点は?
利用者さんによって2時間~10時間程度と支援時間に大きな開きがあり、平均して4時間~8時間の長時間、利用者さんと二人きりで過ごさねばなりません。枯れそうに暑い日も、凍りそうに寒い日も、土砂降りの雨でも、前が見えない吹雪でも、飛ばされそうな台風でも、利用者さんやご家族さんの要望によっては自分の命の危機と背中合わせで支援しなければならない事があります。
その他のポイントまとめ!
他にも通院介助や買い物の付き添いなどがありますが、移動支援は楽な点だけを見ると、一日に入る支援の数が少なければ、それ以外の時間は自由に過ごせますし一般的な訪問介護と違って、入浴や食事の手間なども【移動支援】の中には含まれません。
一人で歩けて自立レベルの高い利用者さん相手なら、スマホでずっとゲームしていたって、寝不足で爆睡していたって、利用者さんがそれを良しとしてくれて、ちゃんと注意するべき所を注意していれば仕事として成り立っちゃうところもあるので、施設とは比べ物にならないほど楽!という印象を持つと思います。
移動支援は本当に施設勤務より楽なのか?雨降りの大変さとは
私も最初は移動支援のいい面を聞いて、施設勤務から変わりましたし、私自身が小柄で貧弱な方なので身体への負担も施設に比べたらはるかに楽だと感じます。
デメリットや大変な面の話を聞いても、それくらいはまぁしょうがない!くらいに思っていましたし、なんとかなるでしょ!くらいのお気軽な気持ちでいました。
移動支援の大変さ:その1
通院介助の日はどんなに長い待ち時間の精神科でも一緒に待たなければいけない
それが2時間でも会計を含めてたとえ3時間でも…。
眠い。とにかく眠い。利用者さんと喋るったって会話が成り立たない利用者さんとは喋れないし、話題も尽きる。
移動支援の大変さ:その2
「待って」が聞かない異性の利用者さんはトイレに入るのだって待ってくれない。意思疎通の難しい利用者相手だとしても、異性を連れてトイレに入る訳にはいかないので車椅子用トイレに一緒に入り、自分より年上や年頃の利用者さんがいる前で用を足さないといけない。送迎の短い移動支援なら我慢できても余暇支援は無理…。お腹壊してたり急な体調不良の時はもうそれはそれは拷問です…。
移動支援の大変さ:その3
要望が多く我儘な利用者に長時間あちこち連れ回される(-_-;)
意思がはっきりしている利用者さんはどこに行きたい、何をしたい、を明確に言ってくれるので、自分で行き先を決めるのが面倒なタイプの私はとても助かるのですが、利用者によっては5kmのハイキング!とか、ボルダリングしたい!
さらに・・・
途方もなく遠方に出かけたい!とか、目的地に向かってる最中に突然別の場所に行きたくなったとコロコロ予定を変えられたり、苦手な所へ行かされたり…なんてこともあります。
移動支援の大変さ:その4
利用者が何かをした場合、何かあった場合、責任が自分一人に降りかかる。
利用者さんが電車で一般の方に迷惑をかけた(もちろん事前に注意はしても不可抗力なんて山程あります)場合、謝罪しその場を収めたり必用な連絡をするのも自分の責任ですし、不可抗力で利用者が怪我をしたり不穏になった場合なども、対処するのは基本的に自分一人。
責任だけでなく苦痛な事や困る事も多々ありましたが、中でも一番最悪だったのが、タイトルの通りこれです。
移動支援の雨降りが過酷、雨に車椅子にカッパなしはもはや修行の域!
雨降りの日に外に出るのって、ただでさえあまり好きな人はいないと思います。
服が濡れる、足元が濡れる、傘という荷物が増える、いつもと違う行き方で通勤しないといけない、そしてそれが混む!予定も崩れるし、気分も下がりますよね。
そんな中での移動支援ですよ。
傘を振り回して危険行為をする利用者さん、傘が上手にさせなくてずぶ濡れになるので自分が代わりにさしてあげないといけない利用者さん、水たまりに入ってジャブジャブしたがる利用者さん、なぜか雨にテンションが上がってはしゃぎ回る利用者さん、精神的に落ち込んで体調も悪くなる利用者さん…
言い出したらキリがないくらいですが、ただでさえ濡れてテンションが下がっている中で、こういった利用者さんの相手をしながら、ひたすら目的地まで向かわねばなりません。
私の願いといえば、
早く着かないかなー、目的地がいっそ来て欲しいなー、とりあえず雨やんでくれないかなー、いやもう一刻も早く帰ってシャワーを浴びたい。
利用者さんに上面の笑顔で対応しながら本心はひらすらこれです。
『とか言って、移動支援が雨降りになったからってそんなに変わる?』
とイマイチ想像がつかない方もいらっしゃるかと思います。移動支援未経験だった過去の私もその一人です。
ここで最も苦痛だった雨降り移動支援の体験を一つ…。
その日は午後から雨の予報で、私は嫌だなぁと思いながら仕事に行く準備をしていました。なぜ嫌かって、もう嫌だと思う要素しかないから。
その1:利用者さんが車椅子の方である。
その2:カッパを着てもバスや地下鉄に乗るのでいちいち着脱をしないといけない。
その3:周囲にある物や人に手を伸ばして触ってしまうので手が離せない。故にどの道カッパを脱ぎ着する余裕がない。
その4:そもそも傘を持つことが嫌い。荷物になるし忘れやすい。
その5:その利用者さんは車椅子ごと覆えるカッパを着せていても、それを脱ぎたがるしフードを取ってしまうので傘が必須。
その6:車椅子を片手で押しながら傘を片手でさすことが物凄く大変。手がつる。
その7:その利用者さんは車椅子の上でとにかく動くので片手での操作が難しいし、坂道なんか片手で操作できない。
その8:一つの傘に車椅子ごともう一人入れるには物凄く近づかないといけない。近づくとその利用者さんは車椅子から私の手や顔に手を伸ばして掴んで引っ張ってくる。
その9:濡れる。
もっと嫌なことはあるけどこれ以上言っても話が進まないので…。
9つもある嫌なこと、を分かっていながらもお仕事ですからね、行くしかありません。
憂鬱だなぁと思いながら利用者さんをいざお迎えに。
お迎えに行くまで見ていてくれていた施設の方が今日の様子をお話してくれました。
雨で身体が冷えたのかお腹下してます。と。まぁまぁあるよねーと思いながら話を聞いていたら最後に驚きの一言。
「どんなに探してもカッパがなかったんですよ」
え。えーーー!
嫌なことその10:カッパがないと傘をほぼ利用者に向けてささないと、自分以上に身体が弱い利用者が風邪をひく。既にお腹壊してるならもう絶対体調悪くなる。こうなったらもう『利用者のために自分は犠牲になる』しかない。
幸い、足元だけは濡れないように配慮してくださって、ビニール袋でぐるぐる巻きにはしてくれていました。まぁなんともみすぼらしい格好なので一緒に移動するのも微妙な心境です。私を利用者さんの親族と見る一般人も多いのでね、もっと何か方法なかったの?というような眼差しを向けられるので、申し訳ないやら恥ずかしいやら、有り難いやら。
とにかく今日イチげんなりしながら、少しでも小ぶりになっている事を願ってその施設から一歩外に出たら…、もう驚きの土砂降りで。それはそれは、まさにバケツをひっくり返したような雨が降っていましたが仕方がない。
何度も言い聞かせます。これはお仕事です。意を決して大雨の中、駅に向かいました。
暴れて足元のビニール袋が取れそうになる度に車椅子を止めてやり直し、全力で傾けている傘を利用者に思い切り引っ張られ顔面もびっちょびちょ。
公共交通機関に乗り降りする度に傘を開いたり閉じたりするタイミングを図り、またたたむのを邪魔されの攻防戦を繰り返し。
今はやめて!今は無理だから!ほんと無理だから!と利用者に叫びながら、私の手を引っ張ってくる利用者をなんとかかわしながら(かわせてない)坂道や段差を登り降り。両手で車椅子を押そうものなら傘は右へ左へ。傘をまっすぐ持とうものなら車椅子がフラフラと。
肘から指先に全筋力を注いで。通り過ぎざまにおじさんに「大変やな…」と哀れみ全開で呟かれ。主に背中に何かを背負っているのでは?と思うほど、服が重たくなった所で漸く利用者のご自宅に到着。
入浴介助もある利用者なので、今度はお風呂で前側もびちょ濡れになり、もう私は服のままシャワーでも浴びたのかという程、濡れ鼠か濡鴉な状態でしたね。
支援終了して外に出たらまぁ寒いこと。唯一の救いは、その利用者のご家族さんが優しい方で、カッパを持たせ忘れたのをとても謝ってくださった事かな…。
着替えもなかったので濡れたまま、エアコンの入った電車を乗り継いで帰宅する頃にはくしゃみの嵐。翌日には喉がイガイガ。幸い、発熱まではせず良くなりましたが冷や冷やしました。
そして私は改めて思ったのです。
『車椅子の利用者+雨降り(カッパなし)は過酷すぎる』
…と。
猛暑続きの中の支援も、熱中症で倒れたりとこれまた過酷でしたが、私の中ではそれを上回る過酷さでした。経験して初めて痛感する、大変さ。
しかもこれが、男性だと手も大きいし身体も大きいので、車椅子片手押しの、傘片手持ちはそこまで大変だと分かってもらえないのですよ。
楽なこともたくさんある移動支援ですが、飛び抜けて大変な日もある。と、移動支援の経験がなかった過去の私に言いたい。
- 雨降りをなめちゃだめだ。
- 自分の車椅子対応技術を過信しちゃだめだ。
- 利用者が小さいからって余裕だと思っちゃだめだ。
花粉は憂鬱だ。梅雨は憂鬱だ。真夏も憂鬱だ。台風も憂鬱だ。真冬も憂鬱だ。
年中通して楽な季節はほとんどないし、どの時期も負けないくらい過酷な日はある。
これから移動支援をしてみようかな?と思っているあなた。ぜひ、私のこの体験も視野に入れて、もう一度考えてみてください。
施設は、通勤は屋外でも仕事は室内ですからね!
どんなに濡れ鼠、濡鴉で帰らざるを得なくても、風邪をひいてしまえば最後、自己管理が甘いと言われてしまうのですから、これから私は雨降りの日には着替えを持参して行こうかなと思っています…。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
この私の体験が、読んでくださっているあなたの、何かの参考にでもなれば嬉しいです。
雨降りの移動支援が大嫌いなりゅのでした!(笑)